メンズシャンプーで抜け毛・AGAは改善する?理容師がシャンプーでできること・できないことを解説

鏡でM字の生え際を確認する男性とシャンプーボトルのイメージ

「最近、抜け毛が増えた気がして。薄くなっていませんか?」

銀座で理容師をしている斉藤です。お客様から、こんな相談をいただくことがあります。「M字が気になる」「前よりボリュームが出ない」「シャンプーを替えたほうがいいですか?」という声も。気になりますよね。

そんなとき、私はまず頭皮の様子や、いつから気になっているかを聞きます。いきなり高いシャンプーを勧めることはありません。

先に結論です

シャンプーを替えるだけでAGAは治療できません。 一方で、洗った後につっぱる、髪がパサつくといった悩みなら、洗い方やシャンプーを見直す余地があります。抜け毛の原因が気になるなら、商品選びだけで終わらせず、医師への相談も考えてください。

この記事では、理容師としてお客様にお伝えしていることと、医師に相談してほしいことを分けてお話しします。

シャンプーでできること、できないこと

シャンプーの仕事は、髪と頭皮を洗うことです。薬用シャンプーで表示できる効能にも「ふけ・かゆみを防ぐ」「毛髪・頭皮を清浄にする」などがあります。でも、AGAを治療することとは別の話です。厚生労働省の薬用シャンプーに関する通知

私なら、まずこんなふうに整理します。

今、気になることまず考えたいこと
洗った後につっぱる、かゆい、髪がパサつく洗い方やシャンプーの使い心地を見直す
抜け毛が増えた気がする、ボリュームが出ない頭皮の状態と変化のしかたを確認する。原因を決めつけない
M字の生え際や頭頂部の変化が続くAGAなどの可能性も含め、医師に相談する
急に抜ける、円形に抜ける、炎症やかさぶたがあるシャンプー探しより皮膚科への相談を優先する

AGAでは、生え際や頭頂部の髪が徐々に細く短くなることがあります。ただ、M字が気になるからといって、それだけでAGAとは決められません。原因の診断は医師の仕事です。日本皮膚科学会の診療ガイドライン

乾燥やフケ・かゆみが主な悩みなら、男性の頭皮の乾燥・フケ・かゆみの記事も参考にしてください。

「シャンプーを替えたほうがいい?」と聞かれたら

まず見るのは、頭皮が荒れていないか、かゆみはないか。頭皮も髪も特に困っていないなら、今の一本を無理に替えなくて大丈夫です。

反対に、洗った後に乾燥する感じがある、髪がパサパサする。そんなときは、洗い方やシャンプーの使い心地を見直します。頭皮が気になるのか、髪の仕上がりが気になるのかで選び方も変わります。詳しくはメンズシャンプーの選び方の記事にまとめました。

そして、意外と多いと感じるのが、気持ちよくて爪を立てたり、ゴシゴシ強くこすったりする洗い方です。私がお伝えする基本はシンプルです。

  1. 指の腹でやさしく洗う
  2. 爪を立てて強くこすらない
  3. 最後は頭皮まで丁寧にすすぐ

これで十分です。洗い方を直せばAGAが改善する、という意味ではありません。 花王の洗髪方法

指の腹でやさしく髪を洗うイメージ
爪を立てず、指の腹で洗う(イメージ画像)

私は毎日の洗髪なら、夜に1回を目安としてお話しすることが多いです。朝も夜も洗っていて、乾燥や違和感があるなら回数を振り返ってみてください。ただ、皮脂の量や汗のかき方、髪質は人それぞれ。全員に「必ず夜1回」が正解というわけではありません。 花王の洗髪頻度に関するQ&A

ローションを買い足す前に、食事や睡眠も振り返ってみる

私なら、保湿用の頭皮ローションをすぐ買い足すより、まず今の生活を振り返ってほしいです。食事が偏っていないか、無理な食事制限をしていないか。髪のことが気になるときほど、こういう基本を後回しにしたくないんです。

タンパク質や鉄が不足したり、食べる量が極端に少なかったりすると、脱毛につながることがあります。亜鉛も体内でタンパク質を利用する働きに関わります。ただ、栄養を多く取ればAGAが治る、という話ではありません。 サプリを自己判断で増やす前に、不足が心配なら医療機関へ相談してください。米国皮膚科学会の脱毛と食事に関する案内/厚生労働省の亜鉛に関する説明

魚・ご飯・野菜・豆腐を組み合わせた食事のイメージ
食事は一品に頼らず、バランスを意識したいですね(イメージ画像)

睡眠も「何時間寝れば髪が増える」とは言えません。自分に合う睡眠時間を確保して、ストレスをため込みすぎない工夫をする。私がお客様にお伝えするのは、そんな普段の話です。もちろん、生活習慣の見直しはAGAの診断や治療の代わりにはなりません。

ちなみに、私が保湿用ローションを積極的に勧めないのは、何かを足す前に「今、何に困っているのか」を確かめたいからです。これは私の考えであって、すべてのローションが頭皮に悪いという意味ではありません。また、医薬品のミノキシジル外用剤とは別物です。日本皮膚科学会の診療ガイドライン

髪型なら理容師に。抜け毛の原因は医師に

「前よりボリュームが出ない」という相談なら、カットやセットでお手伝いできます。気になる部分を少し長めに残す、すきすぎず厚みを残す。ジェルやグリースで髪を強くまとめるより、束になりすぎない仕上げが合うこともあります。

同じ髪でも、切り方やセットの仕方で見え方は変わります。ここは理容師として一緒に考えたいところです。ただし、髪型を整えることと、髪を生やす治療は別です。

理容師が髪型とボリュームの見え方を相談するイメージ
カットやスタイリングでできることを一緒に考えます(イメージ画像)

一方で、抜け毛が急に増えた、円形に抜けている、頭皮に炎症やかさぶたがある。こんなときは、私は皮膚科への相談を勧めます。M字の生え際や頭頂部の変化が続くときも、シャンプーだけで様子を見続けず、医師に相談してみてください。AGA以外の原因も考えられます。日本皮膚科学会の診療ガイドライン

皮膚科で抜け毛の悩みを医師に相談する男性のイメージ
抜け毛の原因が気になるときは医療機関へ(イメージ画像)
相談先で迷ったら

髪型やスタイリングの相談は、信頼できる理容師・美容師へ。抜け毛の原因を知りたい、変化が続いて不安なら医師へ。 私たち理容師には診断や薬の処方はできません。この記事も診断の代わりにはならないので、気になるときは早めに相談してください。

まとめ:まずは、今の困りごとから考えてみてください

  • 頭皮や髪に困っていないなら、シャンプーを急いで替えなくて大丈夫
  • 乾燥やパサつきが気になるなら、洗い方と今の一本を見直す
  • 抜け毛や生え際の変化が気になるなら、商品探しだけで終わらせず医師にも相談する

「シャンプーを替えれば何とかなるかな」と思う気持ち、よく分かります。でも、悩みによって頼る相手も変わります。髪型のことは理容師に、抜け毛の原因は医師に。今のご自身に必要な一歩を選んでいただけたらうれしいです。

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