男性の頭皮の乾燥・フケ・かゆみ|洗いすぎを見直すケアと皮膚科の目安

鏡で髪と頭皮の様子を確認する男性と「頭皮の乾燥・フケ・かゆみ まずは、いつものケアを見直す」の文字。

フケが増えた。頭がかゆい。鏡で見ると、頭皮が白っぽく見える。

そんなとき、「汚れが落ちていないのかも」と、いつもより念入りに洗っていませんか。

男性の頭皮の乾燥・フケ・かゆみは、強く洗えば解決するとは限りません。 私が担当しているお客様を見ていると、洗う回数やシャンプーの洗浄力を一度見直した方がよさそうだと感じるケースがあります。

銀座でマンツーマンの施術をしている、フリーランス理容師の斉藤です。理容師歴は14年以上。日々、男性のお客様の髪や頭皮に接しています。

この記事では、その中で感じていることと、医療機関などが公開している情報を分けて、普段のケアを整理します。私は医師ではなく、頭皮の病気の診断・治療は行いません。

赤みや強いかゆみ、痛み、脱毛などがある場合は、商品を買い足す前に皮膚科へご相談ください。 かゆくて眠れない場合も、睡眠やシャンプーの見直しだけで様子を見続ける必要はありません。

男性のフケ・かゆみは「洗えていない」とは限らない

白いフケが出るだけで、乾燥とは決められません

フケは、頭皮からはがれ落ちた角質です。乾燥が関係することもあれば、皮膚の炎症などが関わっていることもあります。「フケがある=不潔」「毎日洗っている=頭皮に問題はない」という単純な話ではありません。

徳島県医師会の解説でも、乾燥によるフケと、炎症を伴う脂漏性皮膚炎について説明されています。洗髪のしすぎで、かえって乾燥やフケにつながることがあるともされています。出典:徳島県医師会「脂漏性皮膚炎」

白く細かいフケか、べたついたフケかは、自分の状態を伝える手がかりになります。ただし、フケの色や見た目だけで原因を決め、ケアを選び切ることはできません。

私のお客様では、乾燥しているように見えるケースもあります

斉藤の現場から|担当しているお客様の中での印象

私が担当しているお客様の中では、頭皮が乾燥しているように見えるケースが比較的多いと感じています。年齢では40〜50代に多い印象ですが、20代にもいらっしゃいます。特定の髪型だけに見られる悩みでもありません。

また、季節の変わり目や、ストレスが多い方、睡眠が足りていない方にも見られる印象があります。

これは、私のお客様の中で感じる傾向です。男性全体の統計ではありませんし、見た目から「乾燥が原因です」と診断しているわけでもありません。

だからこそ私は、頭皮が気になるという理由だけで、洗浄力を強める方向へ進まない方がいいと考えています。

頭皮が気になる男性がやりがちなこと

洗浄力の強いシャンプーを使う

お客様の普段のケアでは、洗浄力の高いシャンプーを使っているケースを見かけます。フケやかゆみが気になると、もっとしっかり落とせそうなものを選びたくなる気持ちは分かります。

ただ、すでによく洗っているなら、さらに洗浄力を上げる前に立ち止まってほしいです。私なら、使っているものに加えて、洗う回数や力の入れ方も確認します。

一方で、洗わずに皮脂や汗をためておくのも、頭皮のためになるとは限りません。見直したいのは、汚れを落とすための洗髪を超えて、何度も洗う・強くこする習慣です。 参考:花王「頭皮のトラブルを防ぐには」

「スースーする=頭皮に良い」と思う

爽快感の強いシャンプーを選ぶ方もいらっしゃいます。洗った直後にスッキリすると、よく洗えた感じがしますよね。

私が選ぶときに重視したいのは、その瞬間の爽快感だけではありません。使った後につっぱらないか、ヒリヒリしないか、かゆみが増えていないかも大切です。

清涼感の強さだけでは、洗浄力や自分の頭皮への合いやすさは判断できません。「スースーする商品は全部悪い」と決める必要もありませんが、気持ちよさと、頭皮に合っているかどうかは分けて考えてください。

短髪だからドライヤーを使わない

短いから自然に乾くだろうと、ドライヤーを使わない方も見かけます。

私は短髪の方にも、洗髪後はタオルで水気を取り、ドライヤーで根元まで乾かすことをすすめています。短くても、触ると根元に水気が残っていることはあります。

ただし、ドライヤーを使わないことだけをフケの原因と決めたり、乾かせば治ると説明したりはしません。熱風を長く当て続けない使い方も含めて、普段の手入れとして考えています。

まず見直してほしい頭皮ケア

私が普段のケアを整理するなら、睡眠、シャンプー、トリートメント、ドライヤーの順に考えます。これは生活と手入れを見直すための順番で、医学的な治療の優先順位ではありません。症状が強い場合は、先に皮膚科へ相談してください。

睡眠時間の確保、シャンプーの洗浄力と洗い方、髪へのトリートメント、短髪でも根元を乾かす習慣を示した図解。強い症状や長引く症状は皮膚科へ。
普段のケアを見直す4つの視点。医学的な治療の優先順位ではありません。(AI生成イラスト)

1.まずは、なるべく睡眠時間を確保する

新しい頭皮ケア用品を探す前に、最近、睡眠を削っていないか振り返ってみてください。

私のお客様でも、睡眠不足やストレスが多い方に、頭皮の状態が気になるケースが見られます。だから私は、できる範囲で休む時間を確保してほしいと考えています。

ただし、「寝ればフケが治る」という意味ではありません。頭皮の状態から、睡眠不足やストレスが原因だと決めることもできません。忙しい生活の中で、無理なく見直せることからで十分です。

2.シャンプーは、商品と洗い方を一緒に見直す

洗い上がりのつっぱり感などが気になるなら、洗浄力が強すぎないかを見直すきっかけにしてください。それだけで原因が分かるわけではありませんが、今の商品をそのまま使い続けるか考える材料になります。

洗い方では、次の点を意識してみてください。

  • 熱すぎるお湯や、爪を立てたゴシゴシ洗いを避ける。
  • 髪と頭皮を十分に濡らし、製品に記載された量・方法で洗う。
  • 指の腹を使い、耳の後ろや後頭部もすすぎ残さないようにする。

フケを落とそうと、頭皮をこすってはがし取る必要はありません。洗い方の基本は、花王のヘアケア情報でも、十分に濡らすこと、指の腹を使うこと、しっかりすすぐことが説明されています。参考:花王「聞けばわかるヘアケア」

また、新しく使い始めたシャンプーや整髪料の後に、赤みやかゆみが出た場合は、使用を中止して皮膚科へ相談してください。化粧品などが触れて起こる「かぶれ」もあり、乾燥と決めつけないことが大切です。参考:日本皮膚科学会「化粧品、毛染めによる接触皮膚炎」

3.トリートメントは、髪のケアとして使う

私は基本的に、シャンプーとトリートメントをセットで使うことをすすめています。ここでいうセットは、洗うことと髪の状態を整えることを一緒に考える、という意味です。同じブランドを一式買うことを求めているわけではありません。

ただし、一般的なトリートメントは髪を整えるためのもので、頭皮の乾燥や皮膚炎の治療薬ではありません。 頭皮を保湿しようとして、地肌へすり込む使い方はしないでください。

髪の状態に応じてコンディショナーも選択肢になります。髪用の製品は毛先など必要な部分に使い、すすぎ方も製品表示に従います。頭皮にも使えると明記された製品は、その使い方を確認してください。

髪がとても短い方や、コンディショニング機能のあるシャンプーを使う方まで、「フケ対策として必ず追加が必要」とは考えていません。参考:花王「コンディショナーとトリートメントの違いとは?」

4.短髪でも、根元の水気を残さず乾かす

タオルで強くこするのではなく、押さえるように水気を取ってから、ドライヤーを使います。

髪の根元へ風を送り、当てる場所を動かしながら乾かしてください。機器に指定された距離を守り、頭皮が熱くなるほど近づけたり、同じ場所に温風を当て続けたりしないようにしましょう。

私がすすめたいのは、濡れたままにせず、熱を当てすぎずに乾かす習慣です。ドライヤーは、フケやかゆみを治療するために使うものではありません。

高いシャンプーを買えばいいわけではない

シャンプー選びで私が重視しているのは、価格よりも、洗浄力と保湿への配慮のバランスが、その方に合っているかです。

高価だから合うとは限りません。逆に、価格が手頃というだけで候補から外す必要もありません。

「メンズ用」「頭皮用」という表示や、爽快感の強さだけで決めず、使用後に違和感がないかも確認してください。私は、成分名が一つ入っているだけで、その商品の良し悪しを決める選び方もすすめません。

フケ・かゆみを防ぐ効能を表示した薬用シャンプーは選択肢になりますが、すべての原因に対応するものではありません。使っても症状が続くなら、別の商品を次々に試すより皮膚科へ相談する方がよいと考えています。

頭皮用の保湿剤も、全員に追加が必要なわけではありません

乾燥が気になり、頭皮用の保湿剤を検討する方もいると思います。選ぶ場合は、頭皮への使用が想定された製品の表示を確認してください。

ただ、赤みや強いかゆみがある状態で「足りないのは保湿だろう」と決め、あれこれ重ねるのは避けてほしいです。頭皮が白っぽいというだけで、保湿剤を買う必要があるかまでは判断できません。

フケ・かゆみにヘッドスパは効果がある?

ヘッドスパを提供している私の本音

私は、乾燥・フケ・かゆみの治療や改善を目的に、ヘッドスパをおすすめしていません。

自分でもヘッドスパを提供していますが、こうした悩みを改善する手段としては、ほとんど期待していない、というのが私の本音です。これは私の施術の位置づけであり、すべての施術について医学的な効果を評価した結論ではありません。

私がヘッドスパに感じている価値は、リラックスしたり、気分転換をしたりする時間です。疲れたときにひと息つくための選択肢としてはよいと思っています。

でも、それと「頭皮の病気が治る」「フケの原因が解消する」は別の話です。

フケやかゆみに困っている方には、まず普段のケアを整理すること、必要なら皮膚科へ相談することを伝えたいです。頭皮が気になるという理由だけで、スパを追加する必要はありません。

こんな状態なら理容室ではなく皮膚科へ

次のような場合は、自分で原因を決めず、皮膚科へ相談してください。

  • 赤み、腫れ、痛み、じゅくじゅくする部分などがある。
  • かゆみが強い、掻き壊している、眠りに支障がある。
  • フケやかゆみが長引く、繰り返す、ケアを見直しても治まらない。
  • 抜け毛が急に増えた、一部分の毛が抜けた、毛が途中で折れている。
  • 普段とは明らかに違う状態になり、どう扱えばよいか分からない。

強い症状があるときは、一定期間セルフケアを続けてから受診する必要はありません。軽い症状でも、気になっている段階で相談して構いません。

脂漏性皮膚炎や頭部白癬など、ケアだけでは判断できないことがあります

頭皮にフケや赤みが出る病気の一つに、脂漏性皮膚炎があります。一方、日本皮膚科学会では、頭部白癬でもフケのような皮むけや脱毛、毛の折れやすさが見られると説明されています。参考:日本皮膚科学会「シラクモ(頭部白癬)とは何ですか?」

これらは、読者の方に病名を当てはめてほしくて紹介しているわけではありません。同じように見える症状でも、医療機関での確認が必要なことがあるためです。

白癬では、顕微鏡などを使った検査が行われます。私は理容師として日々頭皮に接していても、こうした診断はできません。参考:日本皮膚科学会「白癬はどのようにして診断されるのですか?」

脱毛が気になる場合も、このフケやかゆみだけでAGAと判断することはできません。まず頭皮の症状と毛の変化を、皮膚科で伝えてください。

受診するときには、いつから気になるか、最近変えたシャンプー・整髪料があるか、どんなケアを試したかをメモしておくと説明しやすくなります。

理容師として一番伝えたいこと

頭皮が気になるほど、「さらに強く洗う」「さらにスッキリする商品を使う」「頭皮ケア用品を追加する」と考えたくなるものです。

でも、私が担当しているお客様を見ていると、何かを足す前に、今の洗い方や使っているシャンプーを見直した方がよさそうなケースがあります。

高いシャンプーを買うことも、ヘッドスパを受けることも、最初から必要だと考えなくて大丈夫です。

なるべく休む。強くこすらずに洗う。自分に合うシャンプーを使い、髪に必要なケアをして、洗った後は乾かす。その基本を、一度振り返ってみてください。

それでも治まらない、症状が強い、いつもと様子が違う場合は皮膚科へ。そこは理容師の提案で抱え込まず、医師に相談してほしいと思っています。

まず今夜は、洗う回数を増やす前に、普段の洗い方を一つ確認するところから始めてみてください。

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